「実家に帰らせていただきます。」
と妻が言った。
正月休みを使って、母親と姉と、女三人で旅行する計画を立て、うきうきしながら出かけてしまった。女同士の血のつながりはうらやましい程に濃密である。
ことしは今日が旧正月だ。
寒い日本に残された父娘は、妻が作り置きしてくれた総菜など食べながら、しばらく二人きりの夕食なのだ。冷蔵庫に入っていた釣の餌を間違えて御飯にのっけて食べてしまった建築家・石山某のことを偲びながら、しみじみと我身の幸せを感謝するのである。
「새해 복 많이 받으세요」
(セヘ ボン マニ パドゥセヨ)