白鳥の歌

 


金曜夜はハインリヒ・シュッツ(1585~1672)辞世の曲「白鳥の歌」@東京カテドラル。淡野弓子率いるハインリヒ・シュッツ合唱団のア・カペラ、渾身の演奏だった。


無限に続く生きながら天国にいる浮遊感「詩編119編」、弾ける歓呼の声「詩編100編」、そしてガラッと旧約/新約の世界が転回し、イエス誕生を迎え入れるマリアの賛歌「ドイツ語マニフィカト」


シュッツにどっぷり40年以上の淡野さん、舞踏的独特の指揮と驚愕の集中力でこの3曲をグイグイと引張っていく。


合唱団の中にも聴衆の中にも、キリスト教の信仰を持つものも居ればそうでないものもいる。ただ、この夜のカテドラルはシュッツ/淡野の分厚い信仰に隅々まで照らされた。音楽によって新しくされるというのはこういうことなのだろう。「私はキリスト教ですから、、(押尾某)」闇の中の呟きと対極にある明度だ。


器楽の方でも「シンフォニエ・サクレ地獄」、覚悟してます。


(写真は蘆野ゆり子のカリグラフ「白鳥の歌」)

 

2010年9月18日土曜日

 
 

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