エジプト1

 


モロヘイヤを食べるとエジプトのことを思い出す。

大学院1年の冬に、早稲田のエジプト調査隊の一員として、エジプトはルクソール西岸の発掘に参加した。新王朝繁栄の絶頂期第18王朝アメンヘテプ3世の王宮跡を発掘し、いくつかの部屋の天井画を復元する研究だった。考古学の専門家と、建築史を専攻する我々理工学部建築史研究室精鋭部隊(!?)の混成チーム。


出発前の準備が普通の旅とはだいぶ違っていた。何種類もの大量の絵具を調合して、タッパーの中に入れる。アルシュ紙ロールの山、無数の筆がそれに続く。高齢の学者も同行するチームの食事のため日本の食材、そしてエジプトはイスラムの国だ、酒を大量に仕入れておく必要がある。毎日の食事は、カイロの「レストラントウキョウ」のエジプト人板さんが賄ってくれるらしい。得体の知れない病気のための予防接種も打った。


これが「希望と不安の入り混じった気分」というものなのだろう。


忘れてしまう前に、このエジプト発掘調査のことを書くことにするかな。


つづく。

 

2010年8月13日金曜日

 
 

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