北京にて 5
北京にて 5
朝起きてみると雨模様。CCTV2では「健康大厨房」。朝方のチャンネルは、半分くらい健康関連番組と見た。
北京では、雨はそれほどドサッと連続して降るわけではない。折畳み傘を持ってるので、今日も歩くことにした。
傘をさしたり閉じたりしながら「南鑼鼓巷」を北上、3キロ位歩いて、今日の朝食は24時間営業の不夜城「金鼎軒」で飲茶。粽がうまい。旅をするといつも食欲旺盛で食事が美味い。歩いて体を動かしているからだろう。ここに着く前にも、大通りに面した緑道のそこかしこで、体操やストレッチ、卓球などをやっている健康志向の皆様が頑張る姿を目撃する。黄砂と排気ガスは不健康な環境だけど、外で体を動かす習慣は止める訳にはいかない。
「雍和宮」は清時代に開闢された北京最大のチベット仏教寺院だ。チベット仏教は満州族の清王朝の宗教でもあった。現在の中国政府の意向はともかく、熱心な信者がひっきりなしにお参りに来て、香を焚き祈りを捧げている。本尊の弥勒菩薩は高さ26mというから、東大寺の大仏18m(台座込み)が立ち上がったくらいの大柄で金色に輝いている方だった。覆屋の万福閣(写真)は弥勒菩薩ギリギリのサイズでつくられているから、建物の中に入ってお顔を見上げようとしても首は痛いし、顎の下あたりが見えるだけで表情がよくわからない。ガイドブックには「憤怒の形相」とある。何に怒っているのか、ダライ・ラマは知っているかもしれない。
天子南面のここでは、見学コースの出入口が、南側一カ所になる場合が多い。昨日の故宮はサイズがでかくて北側にも出入口があって助かったけど、ここ「雍和宮」は南側一カ所タイプ。最寄りの地下鉄駅は「雍和宮」の北側にあるので、歩行距離が2倍以上になってしまう。ふくらはぎにサロンパスが欲しい。
地下鉄で西太后の「頤和園」へ。オリンピックの準備以来、地下鉄の整備が急速に進んで移動が便利になったようだ。けど「降りる人優先」は誰も気にしていないご様子。ドワーッときてドワーッと乗って/降りて/乗って/降りて/乗って、ドワーッと進むのだ。どんなにドカドカぶつかっても喧嘩するでも無し。肩が触れ合っただけで殺傷沙汰になるどこかの国とは、何かが根本的に違う。地上の場合も日本とはだいぶ様子が違う。信号が有っても無くても、誰も信号なんか見ていない。車も人も。道路を渡る時に最も必要なのは阿吽の呼吸。これも慣れると危険な感じはしない。自分の命は自分で守ることが徹底しているのか。
つづく
2010年7月4日日曜日