北京にて 3
北京にて 3
中国各地からやって来た団体観光客に巻込まれずに自由に歩けるので、結果的に故宮には裏口から入るのが正解だった。風水的・陰陽五行的に良かったのかは不明。欧米人はみなさん個人旅行。日本人は見かけない。
北京の南北中心軸の中央に置かれ、公的な部分は見事に厳格な左右対称の計画になっていて威圧感・無敵感が満ち満ちている。この感覚は、実際に来てスケールを体感してみて初めて分かる。「どうだ!」と言われて、「ははぁ、まことにその通りでございます」なのだ。この感覚が、所謂中華思想に直結しているかどうかはまだ分からないが、少なからぬ影響は与えているだろう。
厳格な左右相称で計画された世界の中心で14億の人の波に揉まれると、「世界は人間で出来ている」「人間とは中国人のことだ」と実感するしかない。
そのなかで、外見からしておそらくチベットから来ている10人程のこじんまりとした婦人団体が、中国都市部に住む人たちの目も引きつけるに十分なオーラを発散していたのが印象的だった。
駆け足で故宮を通り、天安門に抜ける。
つづく
2010年7月2日金曜日