同窓会

 


高校卒業以来28年振りの同窓会@銀座


先週末、東京周辺に住む沼津東高の同級生が15人集まった。毎年やっていたらしいのだが、ボクは初めての参加。変化の仕方が人それぞれで、迷わず誰だと分かる人もいれば、思い出すのに時間がかかる人もいる。ボクの外見は当時と正反対(視力2.0、天然パーマの長髪、さわやか!>>>メガネ、白髪坊主、ヒゲ)なので、先ずは自己紹介。


最近、伊豆長岡の仕事をしているとき、故郷・沼津を経由して現場に行き来していた。子供の頃に過ごした沼津の周辺に来ると、体に馴染んだ服を着るような感覚になる。自分の足で歩いて、自転車で走って、陽や風や雨を受け、土地の性格が体に染み付いたのだと思う。


宇宙ステーションのような特殊な例を除けば、地球上の建築は常に土地に固定されている。土地に対する深い洞察が無ければ、建築はそこにうまく着地出来ない。建築家も、体に服が馴染むように土地の性格を身体化することが、優れた建築を創るために必要不可欠だ。だが、建築設計の仕事は自分の良く知っている土地に向けて行われるケースばかりではない。それで、その土地を「知る」ために建築家はあらゆる手を使う。現場に行くことはもちろん、例えば歴史的、地理的、経済的、地質学的、気象学的データなどなどを入手し、リアルに身体化しようと努める。「文脈」「コンテクスト」などというヴァーチャルな次元ではない。設計期間中現場で過ごす時間の価値は計り知れない。


久し振りに会った面々がその夜つくったのは、体に馴染んだ服のような、気持ちのいい場所。土地の記憶と結びつき、一度身体化された同級生の関係は何年経っても古びていなかった。

 

2010年6月8日火曜日

 
 

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