イスタンブール
イスタンブール
飛んでイスタンブール
光る砂漠でロール
夜だけのパラダイス
庄野真代の歌は、中学生のボクらにエキゾチックな海外を夢想させてくれた。
でも、イスタンブールに砂漠無いんですけど。
旧市街に入ると、羊を焼く匂いとむせるような香辛料の香りが立ち籠め、無数のミナレットからコーランの音が鳴り響く。もうそれだけでアドレナリン大噴出である。
朝5時が最初のお祈りの時間だ。コーランが目覚まし代わりになって夜明け前に目が覚める。宿の窓から霧に煙った白い街をぼんやり眺めると、Golden Hornを往き来する船の汽笛が遠くに聞こえる。日の出と同時に霧が上方から晴れ始め、最初に高いミナレットの頂部が姿を現したかと思うと、巨大なモスクのドーム輪郭が次第にはっきり見えてくる。街は既に喧噪の真っ只中だ。
dolce color d'oriental zaffiro
che s'accoglieva nel sereno aspetto
del mezzo puro infino al primo giro
(Pur.1,13-15)
2010年3月11日木曜日