ギャラリー

 


学生時代に大変世話になった彫刻家・掛井五郎さんの展覧会@ギャラリーTOM。今年傘寿になられるアーティストの展示は、彫刻から絵画、スケッチに至るまで膨大な量。このギャラリーだから許されると思い、ブロンズ作品をそっと撫でてみる。ファイルされた小さいスケッチ群もいい。


画廊関係者がお茶を飲みながらおしゃべりしていて、その内容が面白く、ファイルを手繰りながらついつい立ち聴きしてしまう。


銀座で鈍色舎の展示会。「新之助上布コレクション」に寄る。服に直接絵を描いている画家の臼木英之さんにもお目にかかる。今は銀座の中央通りにポリエステルの得意なUNIQLOが巨大店舗を出す時代だ。彼らの小さい活動が長く続くことを願う。


ギンザグラフィックギャラリーでは「田中一光ポスター1953-1979」150点以上が展示されていた。ポスターは基本的に商業的な情報伝達媒体だ。デザインの契機はそれぞれに全く異なっていたただろう。だが、これだけ多様な意味内容のポスター展示全体を同時に俯瞰すると、ひとりの人間が歩んだ軌跡が一本の線でしっかりつながる。一本の線とは開放された精神。


磯崎アトリエ時代に、担当だった奈義町現代美術館のサイン計画を田中一光さんにやっていただいた。会場のモニターの中で話す田中さんの声を聞くと光速で記憶が甦る。同時に、言いようのない喪失感に討たれた。

 

2010年2月24日水曜日

 
 

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