一週間以上前の雨水をたっぷりと含んだ黒く重たい道。玉川上水沿いの緑道を歩いていると、イガに覆われた栗の実が無数に落ちている。誰も拾わないのかな。直撃されたら深刻なことになりそうだ。上に気を取られながら足下の栗の無い部分を選び蛇行して進む。
栗は食べるためだけでなく、木材として建築材料に使われてきた。水に強く耐久性があるため、線路の枕木に使われたりもした。
固くて加工がしにくいという理由で栗材の使用を敬遠する人もいるが、裸足で栗の床を歩く気持ちのよさは、他の材料では代え難い魅力だ。
白井晟一も栗好きだった。