イタリアンオルガン
イタリアンオルガン
石井さんがイタリアのビルダーに発注して作ったオルガンが今、本郷教会にある。17世紀の楽器をモデルにした1段手鍵盤5ストップのイタリアンオルガンだ。今日の礼拝では奏楽者として石井さんご本人がこのオルガンを響かせてくれた。
密度の高いクルミ材で作られた美しい筐体に、錫と鉛を砂型の上に流し込んで古典的な技法で作られた金属パイプが納められており、頭頂部には大きなふいごが鶏冠の様に聳えている。そこかしこにアイアンワークによる丁番やハンドルがついていて、全体の景色を引き締める。楽器が見せてくれるのは用の美だ。
音は普段聞き慣れている本郷教会のオルガンとはまた違う個性。イタリアの明るい太陽を思わせると言ってもいいだろうか。
オルガンとしては小型の部類に入ると思うが、楽器の王様に相応しい風格を漂わせている。自然の材料を使って人が手で作ったものは無条件で愛おしい。
2010年10月25日月曜日