熱海の太宰治
熱海の太宰治
引越以来、太宰を読み直している。今日は「走れメロス」を読みながら熱海へ。下記に物語のきっかけになったと言われる熱海にかかわる出来事の大筋。
太宰が熱海の旅館に入り浸っていつまでも帰ってこないのを心配した奥さんが、檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と交通費、宿泊費を渡してお願いした。檀一雄にそんな事を頼んでどうなるか分かっているようなものだが、期待通り、太宰と檀は熱海で連日飲み歩いて金を使い果たす。飲み代・宿代が溜まったところで、太宰は檀を人質において、東京の井伏鱒二に金の無心をしに行く。
いつまでたっても熱海に帰ってこない太宰にしびれを切らした檀は、飲み屋と宿屋に支払いを待ってもらい東京の井伏のところに駆けつけると、二人はのんびり将棋を指していた。
激怒しかけた檀に太宰、「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。」だと。
メロスよりこっちの方が濃い。
2009年9月4日金曜日