パウロ

 


10月2日の夜、メンデルスゾーン生誕200年を記念して「パウロ」が演奏される。@丹下健三設計のカテドラル。


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今回は都合がつかずに演奏者として参加出来ませんが、聴衆として参加させていただきます。


パウロは元々キリスト教徒を迫害していたユダヤ教・ファリサイ派の信者だったが、復活のイエスに出会って回心し、以後キリスト教を熱心に布教することになる。新約聖書の後半部分は、彼が布教した世界各地のキリスト教徒に宛てて書いた書簡が中心になっている。彼の3度に渡る伝道旅行は、地中海世界を横断する大規模なもので、その足跡を描いた地図は、現在の我々が見ても、驚異的な移動距離を示している。キリスト教の世界規模の拡張は、パウロ無しには考えにくい。


孔子も釈迦もムハンマドもピタゴラスもソクラテスも、そしてイエスも、自分では著作を残していない。パウロの事を思うと、「書かれたもの」の価値が立ち上がる。


作曲の技術も「エクリチュール」と呼ばれる。メンデルスゾーンは「パウロ」で何を書き残そうとしたのか。演奏の現場で見届けてこよう。

 

2009年9月30日水曜日

 
 

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