カンちゃん

 


キラー・カンの店@歌舞伎町withアーティストたち。異種格闘技の夜。


さすがアートな人達、気持ちよく嗜好がはっきりしていて、話がピンポイントに深く入ってくる。面白かったのは、相当重症の「鉄ちゃん」患者が二人いたこと。昨日の「釣り包囲網」に続いて「鉄道包囲網」となる。


「鉄ちゃん」は、鉄道フェチであると同時に、鉄フェチだった。一人は、鉄を熱したり叩いたりして作品を創る造形作家。もう一人は実際に電車の乗務経験まで持っている写真家。しかも鉄の針で写真を引掻く作品を創っている。追いつけない、、、


近代建築は鉄、ガラス、コンクリートと添寝してきた。特定の素材に対する偏愛が、その素材を使った設計にプラスの効果をもたらすかどうかは、議論の分かれるところだ。それでも、建築の領域においてすら、鉄を使い、鉄に触れていることが、「鉄フェチな方々」に魂の法悦をもたらす事実を、簡単に否定出来ない。今度、建築界の「鉄フェチ大魔王」梅沢さんのところに、鉄な方々をお連れしてみよう。どんな化学反応が起こるか?


建築家カルロ・スカルパの手摺を想う。絶妙な太さと質感。手摺を伝って移動するうち、継ぎ目に気づかず、いつのまにか鉄から木になっている。鉄から木へのメタモルフォーゼ、鉄と木とのマリアージュ。建築家は、ひとつの材料に対するフェチであると同時に、あらゆる素材の味を最大限に引き出すシェフでありたい。


そこまで書いたところで、ちょうど届いた夕刊を見てみたら、「『鉄ちゃん』不況知らず」の記事、一面にドーン。 こわいこわい。


(写真から「ちゃんこ居酒屋カンちゃん」へ)

 

2009年7月4日土曜日

 
 

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