ルカ
ルカ
日曜の礼拝@本郷教会では、「使徒言行録」の連続講解説教が始まった。かつて、使徒行伝と呼ばれていた新約聖書中の一書。キリストの十字架上の死・復活・昇天以後の弟子たちの活動記録。
連続講解説教というのは、宗教改革者カルヴァンがやりはじめた説教のスタイルだといわれている。聖書の中の書ひとつを取り上げ、はじめから終わりまで余す所無く何週にも渡って連続して説教する方法。カルヴァン以降何百年経っても、ひとりで聖書を通読するのは、礼拝の力を借りないと結構しんどいのだ。
この使徒言行録の著者は、「ルカによる福音書」の著者と同一人物・医者ルカとされている。そういわれてみると、なるほど医者の冷徹な眼で事実を克明に記しているのかという気にもなる。
加藤周一さんがカトリックの受洗をしたときに付けた洗礼名は「ルカ」だという。「お別れの会」で大江健三郎さんが、加藤さんの著作を読み続ける事が残りの人生の課題だ、と言っていた事が思い出される。著者は亡くなり、書物と読者は永遠に残る。
師匠・磯崎新が言っているのは、「形ある建築はいずれ壊れて無くなるが、コンセプトは残る。」コンセプトを書物と読み替えることもできるだろう。
2009年7月27日月曜日