プロペラ
プロペラ
イギリスの劇団「プロペラ」が、野田秀樹を芸術監督として迎えた池袋・東京芸術劇場に来ている。土曜の夜は「夏の夜の夢」。
舞台は、なんだかザラザラした、ただならぬ舌触りを感じさせるのだが、それは「プロペラ」が全員 オ♡ト♡コ だから。真っ当なシェークスピアの劇団なので、せりふは全てその時代の言葉と発音。あちゃー。何言ってんのか、ほとんど分からん。カッコつけずに翻訳のレシーバー借りればよかった。あらすじを知らない劇だったら完全熟睡コースだったろう。
眠りに陥らなかった理由の一つは、シェークスピアの原作がしっかりしていて、物語が現代に通じる普遍性を獲得していたからに違いないが、もう一つは、全員オトコの、この劇団そのものの魅力、というか、何がどう飛び出してくるか分からないので気になって眠れない。楽器や歌も自前、そして鍛えられた肉体を駆使した身体表現。久し振りの演劇体験、大満足じゃ。
だが、、、
この建物、何とかならんのか。池袋西口のゲニウスロキ(地霊)に取り付かれているとしか思えない。せっかくゴッドファーザー芦原義信大先生が設計したのに、どおしちゃったんでしょう。「粗大ごみ」と批判した御仁の気持ちも良く分かる。かつて竣工直後に見学に来た帰り、あまりの惨状に肩を落として入った芸術劇場近くの居酒屋で、荷物を壁のフックに引っ掛けてカウンターに向かったら、「お客さん、ダメダメ。荷物は膝に置かないと。無くなっちゃうよ。」
ああ、池袋西口。どこに消えた東京都の320億円!どうする、野田秀樹!!
2009年7月13日月曜日