明日の神話

 


ピカッ ドン つながり。


井の頭線渋谷駅改札を出て、JRに向う連絡通路に、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」が設置されている。第五福竜丸が被爆した瞬間の水爆炸裂がテーマだ。


メキシコで長年所在不明になっていたが、03年に発見されて、修復作業を施した後にここに設置されることになった。幅30m、高さ5.5m。あらかじめこの場所を測ってから描きはじめたんじゃないかと疑いたくなるような、幅も高さもドンピシャのおさまりである。


頻繁にこの連絡通路を使っているので、いろんな角度からこの壁画を眺める事になる。ボクのお気に入りは、絵と同じくらいの高さに渡された「空中歩廊」を歩きながらの眺めだ。水爆の足下にうごめく通勤途中の会社員、ガラスの手摺に映り込んだハチ公前の巨大スクランブル交差点で道を横切る群衆、天井に反転して見える強烈な色彩。いくつものイメージが、動きながら積層して同時に見える。


日本は3回被爆している。ヒロシマ・ナガサキ・第五福竜丸。両親は広島、長崎、そして第五福竜丸の静岡を住まいとして来た。ここは、ボクの家族と核兵器、それに纏わる様々な事を思い起こさせてくれる、貴重な場所なのだ。

 

2009年6月18日木曜日

 
 

◀

▶