箱舟

 


日経新聞の連載「私の履歴書」、今月は師匠・磯崎新が書いている。今日の文章でアララット山と箱船の事に触れていた。イラク北部のクルド人自治区で何か仕掛けようとしているらしい。黄忠、ますます盛ん。



創世記のノアの箱舟。聖書で造形のプロポーションについて具体的に述べられている最初の記事だ。


「箱舟の長さを三百アンマ、幅を五十アンマ、高さを三十アンマにし、箱舟に明かり取りを造り、上から一アンマにして、それを仕上げなさい。箱舟の側面には戸口を造りなさい。また、一階と二階と三階を造りなさい。」(創世記6:15〜16)


アンマは、かつてキュビトと訳されていたが、肘から中指の先までの長さ。約45センチ。


とすると、30:5:3、すなわち長さ135m 幅22.5m 高さ13.5mの、船としてはかなり細長いタンカーあるいは羊羹みたいなプロポーションだったのだろう。求められた機能は海上の航行ではなく、浮かんで中身を守る事だったのだから、四角いモノリスティックな輪郭だったかもしれない。船というよりは、「建築」というのがふさわしいイメージに違いない。

 

2009年5月27日水曜日

 
 

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