阿佐ヶ谷住宅

 


浜田山の駅から阿佐ヶ谷駅までの住宅地を南北に連絡する100円コミュニティバス「すぎ丸君」。これに乗っていると、行程の中程で「阿佐ヶ谷住宅」の中を横切ることになる。1958年竣工の公団分譲型集合住宅だ。既に建替えが決まっていて、この9月から解体工事が始まるらしい。3〜4階建ての118戸(陸屋根)と2階建てタイプ232戸(陸屋根と傾斜屋根)で構成されるが、2階建てのうち傾斜屋根174戸は、前川國男の設計による。


建替えを前に退去してしまっている空家も多く、新緑とならんで雑草も元気がいい。空家部分の開口部にはベニヤが打付けられている。しかしよく見ると、前川國男設計の傾斜屋根の住戸は、まだ生活の気配が漂っている部分が多い。


空家になった陸屋根の四角い豆腐と、生活が続けられている傾斜屋根の鋭い対比。建築家・前川國男、遠投力のなせる技か。

2009年5月11日月曜日

 
 

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