カステル・ヴェッキオ

 


こんな言葉が成り立つかどうか、「座右の建築」


ヴェローナの古城を、カルロ・スカルパが改装して美術館にしたのが1956〜1964年。建築が到達した奇跡の一つ。


実際に訪ねた後に、スカルパが残したスケッチ群を前にすると、彼の体温と心拍が伝わる。手を動かすことの特権を謳歌してるかのような膨大な量のスケッチ。そこに居るだけで、魂が豊かになるような空間。創造する者を、常に触発し続けてくれる震源。重層した歴史の静かな響き。虚無の現代を突破する契機がここにある、と思う。


設計作業をしながら、このスケッチ群を見ると、果てしなくヒントが沸き出してくる。カステル・ヴェッキオ同様の冷静なバランスが保てるかどうか。

 

2009年11月2日月曜日

 
 

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