豊久将三の Blank Space

 


ポーラミュージアムアネックス@銀座。豊久将三さんの展覧会「Blank Space」を体験。


豊久さんは、ライティング・アーキテクト。最近お知り合いになってから、極めて印象的な照明計画を彼が手がけていた事を、遅ればせながら知ることになった。原美術館やハラミュージアムアーク觀海庵の照明も彼の仕事だ。


人の網膜細胞の配列にまで遡って、現実と錯覚の境界線の在処を探る試み。色の認識がいかにチャランポランなのかを知らされることになる。


豊久さんの現代建築に対する批判は痛烈だ。「波動を感じる空間がない」とのこと。光=波について深い思索を続けている彼が言うと、重たい。


ボクら造形に関わる者の感覚は「視覚」に偏っている事が多く、意識しないと、聴覚や触覚、味覚や嗅覚が欠落しがちだ。視覚だけでは波動は感じられない。豊かな空間を創るには、視覚以外の感覚も磨いて、臨戦態勢にしておかなければならないだろう。


コンビニで買ったカップ麺を啜りながら、ヘッドフォンで爆音を聴き、携帯の電磁波で脳が中から沸騰してる状態では、豊かな空間は創れないということだ。

 

2009年11月10日火曜日

 
 

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