100年前の未来
100年前の未来
今年は、オッチョコチョイのイタリア人、マリネッティが起草した「未来派宣言」から100年。このところ、いろんな局面で登場回数の多い「マニフェスト」の一つ。建築・美術・文学・音楽を巻き込んだ広範な前衛芸術運動だ。
「疾走する自動車は、《サモトラケのニケ》よりも美しい。」
なんともカッコいい宣言なのである。この勢いで機械技術を諸手をあげて賛美した挙句に、「戦争は世の中を衛生的にする唯一の方法」とのたもうた。未来の頌歌は結局ファシズムに利用された後、消滅してしまう。イデオロギーはいつも悲しい。
マリネッティが書いた”futurist cookbook”というのを発見、そのレシピで料理を作ろうとしてみたけど、「前衛過ぎて料理ではない50%、料理として作れるけど食べれたもんじゃない40%、一応飲食可能だけどマズい10%」と言った感じで、シャレで作った本にしか見えない。「未来派宣言」も、同様のシャレだったのか?
100年前の未来に生きるボクらは、100年前に未来を夢見たオッチョコチョイから学んでいるだろうか。そもそもこの国の政治屋たちは、オッチョコチョイじゃないと勤まらないようにも見える。しかも「未来派」も「マリネッティ」も、そして「戦争」も知らないだろう。
2009年10月20日火曜日