ラジオの源造
ラジオの源造
NHKのカルチャーラジオ〜芸術その魅力〜で武久源造さんが『バッハ一族とその音楽』と題して、毎回30分づつ話している。1/4から毎週水曜日20:30〜21:00。13回ぐらい続くようだ。バッハなら「14回」でも良かったのにな。
のっけから聞き逃していたが、最近はネットのストリーミングでいつでも再聴できる。源造さんの「あの」声が聞こえてもいいかな、と思えるような、気持ちにゆとりのある時に自分から聴くことが出来るので気が楽だ。聴いてみた。
「本を読めば書いてあるようなことは言いません」音楽を修辞学としてとらえ、実践している彼の主張がストレートに語られていて面白い。それにしても源造さんの記憶力は畏い。演奏は言うまでもなく暗譜、名前や年号などがスラスラ淀みなく出てくる様子を聞くと、いつもスマホのウィキに頼りっぱなしの我が大脳記憶中枢を、丸ごとメンテナンスに出したくなってしまう。視覚に頼りすぎると、相対的に記憶力は劣化するのだ。視覚は大脳の後頭連合野、記憶/聴覚/言語は側頭連合野が支配すると言われている。体がでかいだけでなく、プロポーショナルにも御鉢のでかい源造さんは、脳みその側頭連合野がスーパー発達しているのだろう。
「青山のNHK文化センターで収録した」ということなので、おそらくNHKのカルチャーセンターに集まった受講者を前にして、ライブで話しライブで演奏した音が、ほとんどそのままラジオ番組として録音されているはずだ。あのペダル付のでかいチェンバロや、重たいジルバーマンピアノも源造さんのスタジオから搬入したのだろうか。こういう番組のためなら受信料を払っても良いという気持ちになる。
2017年1月18日水曜日