Abu Dhabi
Abu Dhabi
世界最大のなんとか、世界最高のなんとかってのが湾岸諸国のプロジェクトがよく掲げるコンセプトである。「ギネスに載る」というコンセプト。お金はあるが歴史の無い国の必然でもある。ドバイには「ブルジュ・ハリファ」や「ドバイ水族館」があり賑やか。アブダビには、世界最大の絨毯が敷かれている世界で最も豪華なモスク「シェイク・ザイード・グランド・モスク」があるという。見に行った。
タージ・マハルには行った事無いけれど、タージマハルもかくや、という輝ける白亜のモスクである。一説には、このモスクの所為でイタリアから白い大理石を採る山そのものが無くなったとか。呆れる程でかい。でかいだけでなく、豪華な材料をふんだんに使った仕上には、呆れるを通り越して「いいもの見せてもらいました」感じになる。
この感覚、建築を見て今までにも数回味わったことがあるな。バチカンのサンピエトロ大聖堂。富士宮にあった大石寺正本堂(1998年解体)。MIHO MUSEUM、MOA美術館、、坪単価の主張。スケールの巨大さ。どれも宗教(関連)施設である。ミケランジェロ設計、サンピエトロ大聖堂の建設資金を捻出するため、教皇レオ10世は贖宥状購入者の罪が赦されることを宣言した。お金を出せば罪が赦されるんですよ。地獄の沙汰も金次第ですよ。おまけに立派な聖堂ができますよ。観光資源にもなりますよ。というわけだ。これがマルチン・ルターを動かし、宗教改革の引き金になる。巨大に肥え太った宗教はいずれも、人間のオペレーションによって似たことをする。金は神になり易い。
イエスは弟子たちを見回して言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。」弟子たちはこの言葉を聞いて驚いた。イエスは更に言葉を続けられた。「子たちよ、神の国に入るのは、なんと難しいことか。金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」(マルコ10:23-25)
帰りの機内では3本
・911から1年後に、リビアはベンガジのアメリカ領事館が過激派に襲撃された実話『13hours』。
・アメフトのスーパースターが、引退後若くして廃人になり死にいたる。その原因を試合中の脳に対する衝撃だと突き止めた解剖医の戦い。『concussion』。『13hours』同様実話を基にした映画は力を持っている。メルトダウンを隠した東電の映画を作れば、間違いなく名画になるな。
・自分が誰かのコピーだと気づいたクローン達の抵抗。『island』。これは良く繰り返され焼き直されるテーマ。なかなかブレードランナーを超えることは出来ないね。
創作ドラマが実話を越えられなくなっているとすれば、人類の創造力にとって危機的状況だろう。
2016年7月14日木曜日