Dubai-2
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翌朝、目覚まし時計より早く目覚めてしまったので、勿体無いけど起床することにした。ドバイに着いて随分時間が経ってる筈だが、ベッドでまともに寝るのはこれが最初で最後。今回は1泊4日の出張である。朝靄に煙る砂漠に登る朝日を見ながらラジオ体操。
15年程前にカタールの仕事をしていた時、トランジットで初めて寄ったUAEのドバイ空港は、ローカル線の鄙びた駅のような風情で、エミレーツ航空など名前も知られていなかった。便数が少ないので半日ぐらい何もすることが無い空港でボーッと座っていた時にその後の開発狂躁を予見していたら、きっと今頃ビリオネアだったに違いない。
砂漠の摩天楼を見ていると、ラスベガスを連想させる。フーバーダムの電力を頼りに砂漠にギャンブル都市を築き、胴元として虚栄を謳歌している都市。高層ビルの短絡的で軽率なデザインの類似だけでなく、開発のモチベーション=欲望の根幹がドバイと相似形に見える。ラスベガスには行った事無いけれど。
そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。(マタイ7:24-27)
砂上の楼閣は喩え話ではなく眼前の現実である。
2016年7月12日火曜日