Cairo 3
Cairo 3
朝は構造担当者と打合せ。エジプトの建築設計の進め方がボクが知るそれと大きく違うのは、構造の打合せが後回しになっていること。エジプトでの建築設計は、コルビュジエ的ドミノが圧倒的に多い。つまり構造的な工夫がほぼ必要無いフラットスラブが建築設計の仕事の大半を占めていて、少しでもクリエイティブなことをやろうとすると、大抵の構造設計者は思考停止状態に陥る。キャンティレバーなど以ての外だ。コルビュジエの呪いだな。漸く3人目の構造担当者がこちらの意図を読み取ろうとする姿勢を見せてくれてはいるが、遅いんだっつーの。まず骨組み決めないと、肉を付けたり筋肉つけたりお化粧したり出来ないっつーのっ。木村俊彦、川口衛の両巨頭を筆頭に、磯崎さんと協働していた構造設計者が如何に優れているか、今更ながら深く感じ入るのであった。
今日の昼食は2回目のコシャリ。久し振りだ。前回一目で完食不可能が明らかな炭水化物爆弾を前にして撃沈したが、今度は事前に「くれぐれもほんの一口だけ」という注文をしたので、大型のカップ麺ぐらいの器に入ったコシャリが到着し、少しホッとした。美味い。勢い余ってデザートのライスプディングまで食べてしまった。結局炭水化物摂取過多、食後は時差も相俟って眠さの極致である。
エジプトに着いてからずっと目がゴロゴロする。排気ガスまみれの細かい砂が体中にまとわりついているのだ。目がゴロゴロするぐらいだから鼻や口を通して体内にも大量に入っているだろうな。特にタクシーがいけない。流しのタクシーを拾うと、窓は壊れて閉まらない、運転手がタバコ吸ってる、接触事故を起こす、人を轢きそうになる、一方通行を逆走する、クラクションを鳴らし続ける、窓から身を乗り出して大声でわめき散らす、ラジオを大音量で鳴らす、そしてメーターが無い、あるいはメーターを改造して値段を釣り上げる、など当たり前。窓全開でカイロの大渋滞に巻き込まれると、目だけでなく心も痛くなる。
昨夜Kの手配で初めてカイロでUBERに乗ったらそれはそれは素晴らしかった。日本で予約して乗る以上に快適。車も綺麗。価格も適正。交渉の必要も無し。カイロでUBER以外のタクシーは、全員廃業してください。
夕食はいつものハナ。日本の現状・将来を憂い、つい杯がすすむ。
2016年5月11日水曜日