ポリーニ・プロジェクト

 


「ポリーニのコンサートあるけど行く?」

とM嬢が云う。

「えっ!ポリーニのコンサート行けるの??」

「ポリーニは演奏しないみたいだけど、ポリーニ・プロジェクトってのをやるみたい」

「へぇ〜」


てな感じでコンサートに誘われた。ポリーニが以前からプロデュースし続けているポリーニ・プロジェクトの一つとして企画され、今年1月に亡くなったブーレーズの追悼公演として行われることになったコンサート。


ベリオ、ブーレーズ、ベートーヴェン〜ポリーニ・プロデュースによる室内楽・第一夜@東京文化 小ホール


ベリオ<セクエンツァ>

Ⅰ.フルートのための 工藤重典

Ⅱ.ハープのための  篠﨑和子

Ⅲ.ヴィオラのための クリストフ・デジャルダン

ブーレーズ<弦楽四重奏のための書>より

Ⅰa Ⅰb Ⅱ Ⅲa Ⅲb Ⅲc

ベートーヴェン<弦楽四重奏曲第10番 op.74>

ジャック四重奏団


ベリオではヴィオラのクリストフ・デジャルダンが圧倒的だった。同時代の曲を「母語」とし、確信を持って堂々と演奏する姿は伝道者的ですらある。この難曲を「暗譜」というのも凄い。いつまでも聴き続けたい、終わって欲しくないと思わせる演奏だった。


ジャック四重奏団は若々しい4人。それぞれキャラが強い。Vn.の二人は格闘技ファイターと高校の数学教師、Va.は長身の美容師、半袖のVc.はきこり、かな。ブーレーズを驚異的な集中力で走り抜けて力尽きたか、ベートーヴェンはそこそこの演奏だったが、それでもヘビメタ的激しさが楽しかった。ベートーヴェンの演奏中に地震。客席のどこかで携帯の地震警報が鳴った。


このコンサートに呼ばれたのは、客席を埋めるための動員だった。日本では未だ現代曲のコンサートに人が集まらない。勿体無いことだ。明日は同じプロジェクトの第2夜でうれしい動員。


ホールを出てから、熊本で震度7の地震があったことを知る。

 

2016年4月14日木曜日

 
 

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