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大バッハの誕生日。昨日から受難週だ。おそらく今日はエルサレム入城後一泊してイエスがイチジクの木を呪われた日だったろう。


「今から後いつまでも、お前には実がならないように」(マタ21:19)


アザーンは無いけど、5時頃ベッドの中で目が覚めていた。6時に起床して無人のリゾートビーチを散歩。天気晴朗なれど波高し。かつて小舟でエーゲ海の嵐に揉まれた恐怖が甦る。スピーカーの騒音で叩き起こされた昨日と比べると、波音と御来光に迎えられた今朝は何と祝福に満ちた一日の開始だろう。


だがテレビをつけるとBBCはヒステリックな声でヨーロッパの移民問題についてまくしたてている。この同じ海の上だ。ゴムボートに乗って必死の逃亡を図る群れが画面に映し出される。


エジプトの習慣なのか、我々の気配に合わせてくれているのか不明だが、長い打合せの時は途中でスナック程度のツマミが出るだけで昼食は抜く。タフな打合せの後、片道1時間半かけてでもアレキサンドリア市内のギリシャレストランに行くのが今日のご褒美。このレストランは地中海で穫れた海の幸を、塩焼きや素揚げなど単純な料理法と、レモン汁・オリーブオイルをかけるだけの素朴な味付けで出してくれる。大灯台の跡地近くからプトレマイオス朝の都を湾越しに臨む絶景と静かな波音もレストランの価値を高めている。


食事後の1時間半の移動中は車中で爆睡、あっという間の帰還。

 

2016年3月21日月曜日

 
 

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