ソールでルソー

 


ソウルの教会で日曜日の礼拝に出席すると、旧約のナオミとルツの話。こういう時にはwifiがどこでも入る環境が有難い。スマホの聖書を開いて日本語で読む。礼拝最後の賛美歌は良く知っているメロディー『むすんでひらいて』だった。


幼稚園生だった頃、お遊戯の時間に振り付で『むすんでひらいて』を皆で踊っていて、指導の先生(女性)が『ま〜たひらいて』のところで股を大きくひらいて仁王立ちになったことを不意に思い出してしまう。


これはジャン=ジャック・ルソーが作曲したオペラ『村の占い師』(1752年)に出てくる曲。世界中に様々な歌詞のバリエーションがあるようだ。日本には1874年頃、バプテスト教会の賛美歌『グリーンヴィル』として登場したのが初出。その後、1881年に『見渡せば』として『小学唱歌』に掲載され、1895年には軍歌集『大東軍歌』に『戦闘歌』として納められた。敗戦後1947年、小学一年向けの音楽の教科書『一ねんせいのおんがく』に、新しい歌詞で登場したのが『むすんでひらいて』だ。軍国主義に染められたメロディーは日本で賛美歌に復帰することは無かった。


ルソーは『社会契約論』の中で、政治権力の「一般意志」への服従=直接民主制を主張、志向していたのだっけ。世論調査、内閣支持率、の結果は「一般意志」とどう関係するんだろうか。


下記は、皆が喜び勇んで歌っていただろう『戦闘歌』の歌詞。


『戦闘歌』(1895年 作詞 鳥居忱)


見渡せば 寄せて来る、敵の大軍 面白や。

スハヤ戦闘(たたかい)始まるぞ。イデヤ人々攻め崩せ。

弾丸(たま)込めて撃ち倒せ  敵の大軍撃ち崩せ。


見渡せば 崩れ懸る、敵の大軍心地よや。

モハヤ戦闘(たたかい)勝なるぞ。イデヤ人々追い崩せ。

銃剣附けて突き倒せ。敵の大軍突き崩せ。

 

2015年7月21日火曜日

 
 

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