柄谷行人
柄谷行人
中川武教授の退官に際し、最終講義『夢の世界建築史』が大隈講堂で行われた。原広司、柄谷行人も来るらしい。行かねば。
中川(1944〜)/柄谷(1941〜)は所謂全共闘世代、原(1936〜)はそれより少し上の世代。端から見れば同じオッサンだが、このあたりの世代間相互には独特の緊張感が張りつめている。3人揃い踏みのシンポジウムと云う名の柄谷独演会では、ステージ上での原 vs 柄谷の一触即発ともいえる関係を、中川先生が空気を弛めて辛うじて見掛の平穏を保つという状況。本気で罵り合いとか始まればそれもまた記念になる最終講義だったろう。
さて、柄谷行人である。彼の著作は院生時代我々の周囲で必読図書扱いされていて、隠喩だの探求だのが、世界認識の羅針盤になっていた。我らは柄谷チルドレン世代。
最終講義/シンポジウムが終わった後の立食パーティー。柄谷御本人の話をナマで聞いてみたいと思い、ごった返す会場を探してみたら、おやおや既に同級生Kが柄谷さんに密着し何やら話をしている。ボクも負けじと柄谷さんの真正面に陣取る。真性カラタニストだったTも合流して「柄谷行人+3人のチルドレン」という誰にも邪魔されない時間が始まった。他の世代の方々は、あまり興味もないようだ。手持ちのグラスが空くと、いつの間にか現役の院生がボトルを運んできて『立食パーティーだけど椅子に座って飲み放題 w/柄谷行人』。極楽だ。
だけど、資本主義の権化みたいな大学の宴会場で、手を出せばワインが自動的に注がれるこの状況は革命家に相応しいのだろうか?
2015年3月22日日曜日