カイロタワー
カイロタワー
こちらでは金曜が休日。なんとかとなんとかは高いところが好き、とは言うものの、恥を忍んでカイロ市内で一番高い塔に登ってみた。
カイロタワーは1961年の竣工、高さ187m。当時のナセル大統領が、アメリカCIAから懐柔用に贈られた賄賂600万ドルを国民に公表して建築費用に充てたと云われている。エジプト人の国民感情としてアメリカ嫌いが一般的なのは、このことを皆が知っていることによるのかもしれない。ナセルに対する敬意は持続している。
小さいエレベーターで吹きさらしの展望台に出ると、思いのほか風が強い。足元に悠久のナイル河がたゆたい、西の方ギザ大地を見遣ればピラミッド。歴史を見おろしている感覚だ。ナポレオンがここに昇ったら何と言っただろうか?「兵士諸君、4000年の歴史が我輩を見上げている!」これでは誰もついて来ないだろうな。
カイロタワーは地元の人も集まる観光地だ。エジプトにいる時に何度か体験しているが、今回も声をかけられ一緒に写真を撮ることになった。よく分からないけど「外人と一緒に写真を撮る」のはトレンディーなことなのかも知れない。ある数人のグループを代表して妙齢の女性が近づいてきて「写真とっていいですか?一緒に」「はいはい、いいですよ」「え〜と、腕組んでいいですか、、、ふふふ」そんな感じで、そのグループの中で「外人と一緒の写真に興味ある人」が2〜3人入れ替わり立ち替わりボクと記念写真。どんな顔をしていいのか分からない。いつも曖昧な表情になってしまうが、悪い気はしない。これも国際交流の一種だろうか。
(写真は妙にねじれている尖頭部分見上げ)
2015年12月5日土曜日