白隠
白隠
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
このところFacebookをきっかけに、ふるさと沼津の高校同級生と会う機会が与えられるようになって、年に数回は室生犀星的感慨に満たされることがある。最近は井上靖の本を片っ端から読むことによって沼津との距離感を確認しているところ。
渋谷の文化村で展覧会開催中の禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく・1685-1768)は沼津出身だと云う。J.S.BACHと同い年だ。行ってみた。
禅画の評価軸を持たない目にも、巧さや技術とは無縁のおおらかな書画は、達人の自在な手遊びに見える。こちらは絵そのものより絵の向こう側にある沼津を探そうとしている。
ここは紛れもなく、かく申す私の生まれた町であり、育った郷里である。一応、このように名乗りをあげておかないと、故郷などというものは、どこへ跳んで行ってしまうか、判ったものではありません。(井上靖「孔子」より)
2013年2月12日火曜日