CCTV
CCTV
こんなに高く晴れている北京は初めてだ。おかげでCCTVの輪郭も色も汚れも、実に良くわかる。今回は足元から見上げるだけではなく、近くの高層ビルから眺めてみた。
現在、隣接する区画のいくつかは更地のままで、この建築の大げさな身振りがよく見えるのだが、見る度に周囲の状況が変化している。いずれ周囲の区画全てが容積率限度一杯のオフィスビルで埋め尽くされれば、CCTVの姿はビルの谷間に沈んでしまい、形体の魅力も消え失せるだろう。現代の名建築として生き残るためには、周囲に建物がこれ以上建たない経済状況に中国が陥り、今後全ての工事が中止され、更地が維持されなくてはならない。
経済も含めた周囲の環境が滅びることによってしか生き残ることの出来ない建築を仕掛けたのだとすれば、これをアイロニーと云わずして何と云おう。CCTVコンペの審査員・磯崎新の体質を調べ尽くしコンペを勝ち取ったレム・コールハースは、かつての磯崎と同様のやり口で北京にアイロニーのかたまりを投下したと見える。そして時代は磯崎の時よりも更に激しく加速している。
2012年9月22日土曜日