フットマッサージ
フットマッサージ
長時間歩いて脚が痛い。脚の痛みは大概足裏から忍び込んでくる。ウォーキング用の靴を選んでいればこんなことも無いのだろうが、スーパークールビズ、靴底の平らなサンダルを履いてしまったのだからしょうがない。こういう状態になると、かつてマレーシアで体験したフットマッサージのよろこびと悲しみが甦る。
そこは「星の丘(ブキ・ビンタン)」という美しい名前を持つ繁華街のど真ん中。巨大ショッピングセンターの一角にあるフットマッサージ店であった。いかがわしいマッサージ店が街中に蔓延る中で、ひとりその誇り高き孤高を死守している店である。店内は非常に薄暗い。適切な音量に調整された環境音楽の粒子が、空間を満たしている。
45分コースをお願いしてみた。
暗い店内で、体のサイズに馴染まない大型の寝椅子に横になり、お湯をはった桶に脚をつけたままうつらうつらとしていると、暗闇から施術してくれる女性が現れる。ポニーテールで女性だと分かるが、暗すぎてどんな顔つきの人なのかはよくわからない。脚をお湯から出すと、ジェルを使ってニュルニュル・コリコリ・グリグリが始まった。
最初は左脚、次に右脚。マッサージ師が右利きか左利きか分からないけど、左右の脚で、明らかに感覚が違う。左右対称に両手を扱える人が、良いマッサージ師なのかも、などと考えながら、「あっ」とか、「うっ」とかいう間の45分。脚が軽くなる。
明るいフロントに出て会計をする時に、そのマッサージ師が凄い美人だということが分かった。やれやれ、なんということだ。
2011年8月11日木曜日