バロック

 


土曜にモダン楽器でモーツアルトを演った翌日、日曜には久し振りにバロック楽器でバッハ。テニスのラケットから卓球のラケットに持ち替えた感じかな。体が歪んでいるのは確かなのだが、最近は歪み方がバロックの方に偏っているようだ。


歪んだ真珠。(写真は若尾文子)


建築のバロックは楕円の多用により定義づけられるが、音楽のバロックの場合も時間軸に対し楕円的な運動を示すことが、その特徴かもしれない。今日のカンタータ練習では、円形のタイヤでスムーズに走る自動車でなく、楕円のタイヤが付いたおもちゃの様に「ギクシャクしながらもナダラカに」進むよう指南された。


過去の特定のある時期/様式に惹かれるのは、歴史家がその過去を定義付け評価していることに負う。我々は歴史家の目を通して過去を見る。だが一定期間を単純に総括するのは無理があるし、現代の表現者にとって、それだけでは意味も無い。


すぐれた表現者は、同時代の枠内に収まらず、突出した成果を提示してきた。様式を確立したのは常にはみ出してしまった前衛である。歴史家はあとから突出部を中心に一括りにして言語化する。


現象を観察し、言語化する能力は誰にでもある訳ではない。ズルイね。

 

2011年7月18日月曜日

 
 

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