畳

 


数寄屋のM工務店の方と打合せ/おしゃべり。


木造建築の減少傾向に歯止めがかからない。M工務店ですら木造住宅は全仕事の2割程度だと言う。「最近の若いもん」は一般に手の油が多くて作業中に木が汚れる。特に化粧材を扱う時などは、手袋をしないと、貴重な材が油まみれになるとのこと。一旦、人の油が付着した材料は、時間が経って次第にその部分だけ変色していく。何かの呪いにかけられたように。


トランス脂肪酸の摂り過ぎだな。マック食べながら数寄屋は無いだろう。


住宅は自然の中で育まれた。それは高温多湿な環境に適した材料や形状の工夫のみならず、建築・修理の大きなサイクルが、自然の動きと同調してきたということに他ならない。


例えば畳。畳は、畳屋さんがつくるのだと思いきや、実は畳床(タタミドコ・芯の部分のこと)は伝統的に米作農家の人たちがつくっている。畳床は稲藁のリサイクル製品である。現在、M工務店ですらまともな畳が入手しにくくなっているという。減反政策がじわじわとしかし確実に、日本の建築を蝕んでいる。折しも、稲藁そして牛肉から高濃度の放射性セシウムが検出されたというニュース。


一体どうなってしまうのだろう。

 

2011年7月15日金曜日

 
 

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