鏡
鏡
ジャン・コクトーの映画「オルフェ」で、主人公のオルフェは死んだ妻を探す地獄への旅に出る。入口は鏡だった。ここで鏡は「現実と非現実を結ぶ秘密の通路」(澁澤龍彦)
アリスは暖炉の上の鏡を通り抜け、「鏡の国」に入っていく。
八咫鏡は御神体そのものだ。
居間に掛けたのはマン・レイの作品
les grands trans-Parents
楕円の鏡にダイレクトに書かれたシュールレアリストの筆跡。部屋に置かれているあらゆるものを3次元から2次元に封じ込める装置だ。そこに映っているのは、モノも含めて、過去と未来に挟まれた現在一瞬の自分自身である。
かといってこの鏡の神秘的、魔術的、形而上的意味に何かを期待しようとしている訳ではない。都心の小さな部屋に閉じ込められている我々にとって、鏡が部屋を少しでも大きく広く見せる効果を望んでいると云うしかない。
2011年4月22日金曜日