下北沢のマルセル・デュシャン
下北沢のマルセル・デュシャン
最近テレパシーの練習が功を奏して、会いたいと思う人に連絡すると大抵先方の都合もいい。で、「駅周辺の再開発で絶滅寸前の下北沢を調査する会」有志がいいタイミングで集った。フィールドワークだ。
井の頭線と小田急線がX字に交わることで、下北沢は4つのエリアに分割されている。今回は北側エリアの一角、戦後の闇市の名残「下北沢北口駅前食品市場」を攻める。
元々は名前の通り食品市場だったのだろうが、今はスタンドバーや居酒屋、洋服屋や雑貨屋などいろんな種類の店がひしめきあっている。夜になると飲食店以外はシャッターを下ろしているので閑散とした感じは否めない。もしかすると、そのシャッターは昼も閉まりっぱなしなのかもしれないが。
具体的な調査対象物件に足を踏み入れ、調査開始。
この和食屋は冷房もトイレも無いのに、満席じゃん。看板は昔和菓子屋だった時のものをそのまま使っているのかな。店名も和菓子屋のママだ。使い込んだ大きな木のテーブルには、きれいな扇子が置いてある。涼しさの演出は夏のもてなしの基本ですな。ふむふむ、献立は野菜と魚が中心ってことですか、枝豆も、もずくも、カツオも、サンマも、オクラも、ソバも、なんとも上品で生き生きしているねぇ。
細い路地を挟んで反対側にあるのは画材屋さんだ。看板には「ゑのぐ」って書いてある。開催中のマン・レイ展のポスターを貼っているということは、まだしぶとく営業を続けているに違いない。
ちょっと憚りに、、、ああっ!こんなところにデュシャンの「泉」が!!しかも2つ並んでる。
調査は、果てしなく続くのであった。
2010年8月5日木曜日