エジプト3
エジプト3
ヘロドトスの時代から建築史の教科書には、常に一番バッターで出て来るのがギザのピラミッド群だ。特にクフ王のピラミッドは時代とともに変遷してきたピラミッドという形式の完成形を示している。
行ってみなければ分からないことを記しておこう。
一つは、人は見るだけでその重量を感じる超能力的感性を持っているということ。建築単体としてこんなに重たいもの/重そうに見えるものは他にないだろう。
次に記憶に残るのはピラミッド内部の匂い。9世紀にアル・マムーンがドテッパラに現在も使われている入口の穴をあけて以来、内部に何人入ったのだろう、人間の体臭は換気設備の無いところで千年以上つもりにつもり、譬え様のないほどエラいことになっている。もしかしたら4500年前にピラミッド工事で働いた人夫たちのニオイも染み付いているのかもしれない。観光客のつける香水の匂いが混じり合い、意識不明寸前である。
そしてこれからピラミッドを見ようとしている方々へ、周辺でたむろしているラクダ(とその飼主)は性格極悪の奴らです。くれぐれもお気をつけください。いつまでたっても降ろしてくれないでボクみたいに慌てふためかないために。
なんだかしょぼくれた話しになっちゃったけど、つづく。
2010年8月19日木曜日