香り

 


快適な仕事場だけど、唯一問題があるとすれば毎日の夕方。そろそろ腹が減って来たという黄昏時、狙いすましたようにどこからともなく夕餉のすばらしい香りが漂ってくるのだ。この季節は特に、窓全開で匂いの受け入れ態勢も万全なので、少しの香りも逃さずキャッチしてしまう。


今日はセロリと豚肉のオイスターソース炒めに違いない。どうしてボクの好物を知ってるのだろうか。


香りと言えば、先日「乳香」の香りを楽しませてもらった。なんとかいう木の樹脂を固めた乳白色半透明の石ころみたいな塊。5〜10ミリぐらいの小さい粒々だ。聖書には旧約から新約まで、いろんなところにこの乳香が登場するが、広く知られているのは「東方の博士」の聖誕プレゼント3点セットのうちの1つだということだろう。


アルミホイルに載せて下から暖めるといかにも植物系の香りが立ち上る。食欲中枢を刺激し空腹を巻き起こす香りではない。


カタールの王族 Sheikh Saud bin Mohammed al-Thani が服に焚き込めていたのは、この乳香だったような気がする。


彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。

(マタイ2:11)

 

2010年6月3日木曜日

 
 

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