パンケーキの朝食が美味しいと評判の店が入っている複合施設＠七里ケ浜の寒い夜。

ここ、朝は行列が出来るという噂が、にわかには信じられないほど閑散としている。海に面する絶好の立地。白く四角い塊に切れ目を入れていくつかのブロックに分節し、切れ目は屋外の露地になっている。簡単に言語化できる明快な設計内容。

分節されたブロックがそれぞれ店舗になったり住宅になったり。ブロックの隙間から空や海が見え、同時に突風が駆け抜ける。

海風を加速させ意図的に歩行者をすっ飛ばそうとしているかのような装置は、室内に入ると常時風音が聞こえることによってますますその効果が立ち上がる。

風音を消すためだろうか、BGMがやけにでかい。海は目の前にある筈だが、反射する室内の風景が暗い窓ガラスに映り込み、見えるのは脇を走る１３４号線の車。

魅力的で心惹かれる建築を体験しても、いい気持ちになるばかりでそれを自分のものとして身体化するのは困難だが、今夜は実にいい勉強になった。