IZU PHOTO MUSEUM

 


は杉本博司が全面改装を手がけ、(再)開館記念展「杉本博司—光の自然(じねん)」を開催中。


部屋同士をつなぐ開口部分で、壁厚を薄く削ぐようにテーパーをつけるだけで、単純な四角い箱の連続が流動的になる。一歩間違うとありきたりのホワイトキューブに陥ってしまうところを踏みとどめているのは、この壁小口の繊細な扱いと、自然光に溢れる2つの庭だ。


紫外線を嫌うデリケートな写真作品の展示そのものは、暗室作業にも通じる闇との対話だが、自然光の降り注ぐ明るい庭が、暗い箱による展示ルートのまっただ中に大きな楔を打ち込んでいる。暗闇に展示される写真も、光によって創られていることを、建物自身が思い出させる仕掛けになっている。


丁寧で、巧い。

 

2010年2月6日土曜日

 
 

◀

▶