新叶
久し振りに温泉旅館泊。
どの部屋の、どの窓からも手入れの行き届いた庭への視線が確保されている。建物の内部は隅々まで女将の好みに覆われていて心地よい。あるもので工夫するブリコラージュの成果だ。
周囲の大型旅館はほぼ開店休業状態であるのと鋭く対照的に、ここはひとり輝いている。小さなスケールがサービスと空間の濃度を保証しているからだ。
木造の旅館は断熱材やペアガラスとは無縁で冬寒いが、それでもあたたかい気持ちになる。
2010年2月5日金曜日