一柳米来留
少し前に、日曜美術館でヴォーリズを取り上げていた。ゲストの人選に激しく違和感を感じたけれど、実際の展覧会を見るため汐留に行ってみる。
母の母校である活水学院や関西学院、また義理の母の母校、梨花女子大(ソウル)の設計者として、ボクにとっては馴染みのある名前だったのだが、一般的にはあまり知られていなかったのかもしれない。奇を衒わない、思いやりにあふれた真摯な設計態度は、ボクの時代の大学教育では取り上げられなかった。その理由も考えてみる必要があるだろう。
居心地の悪い汐留高層ビル群の中に、最近「P電工」と言いはじめた総合メーカーのギャラリーがある。既製建材を大量に扱う巨大企業が美術ギャラリーを持っているのは、「文化的な貢献」を大衆にアピールするためでもあろう。特に、自社の仕事に関わる建築やインテリア関連の展覧会を中心に企画をしているようだ。
ゲストと番組内容の齟齬は、会場と展覧会内容のギャップそのままの転写であった。
2009年6月12日金曜日