WTN
世田谷の住宅密集地。敷地11.8坪、建築面積7坪の小住宅。オーナーは夫婦+小学生を筆頭に子供3人=5人家族!である。床をできるだけ多く造ることが求められた。コンクリートで地下の箱を作り、その上にロフトを備えた木造2階建てを載せる。
快適に暮らすための空気循環システムは、物理学者であるご主人とともに練り上げられた。温・湿度の安定している地下から最上部のロフトまで、空気循環のための垂直ダクトを通す。夏には涼しく乾いた地下の空気を小さいファンでロフトまで持ち上げ、冬には暖まったロフトの空気をファンを逆回転させて地下に送り込む。階段部分に扉を設けず、地下からロフトまで4層はひとつの空間となっているために、いったんダクトから放出された涼しい(暖かい)空気は、そのまま全館を廻ることになる。予想以上に快適な環境が確保され、補助的につけたエアコンの稼動は最小限に抑えられている。
木造在来工法、内外壁とも本漆喰左官仕上げ、床は40mm厚の杉無垢板オイル拭取り、天井は直天井(床材露出)。地下のコンクリート部分には防水コンクリートを用いて、施工にスペースを要する防水工事を省き、狭小地を最大限に利用している。
2004-2005
住宅/東京都