ライナー・ホーネック

 


紀尾井シンフォニエッタ東京アンサンブル 

w/ Rainer HONECK @紀尾井ホール


ウィーンフィルのコンマス、ライナー・ホーネックが招かれ、紀尾井シンフォニエッタのメンバーと共に奏でた室内楽。前半はモーツアルト。オペラの弦楽四重奏版4曲、および弦楽五重奏曲6番(初めて聴いたけど、特に4楽章はベートーベンの後期カルテットを先取りしているかのような現代性が際立った曲。好きなタイプ)後半はシューベルトの8重奏。


モーツアルトは3次元立体造型の角が全て丁寧に面取りされ漆でツルピカに仕上げられた工芸品を見る思い。シューベルトはところどころ豪快で荒削りな鑿跡を残しながらも鑿跡以外は律儀に仕上げた金箔貼りの仏像か。


このアンサンブルは紀尾井ホールを本拠地にしていて、リハーサルでもその本拠地を使っている。そのことが演奏の高い完成度を支えている。演奏者は同じホールで鳴らし続けるとその響きが体に染み込んでくる。ホールも楽器だということだ。紀尾井ホールの建築形式はウィーン楽友協会大ホールと同系列でシューボックスタイプ。


久し振りにコテコテのクラシックど真ん中の演奏を聴いて、我が身を省みること多し、だった。

 

2014年6月12日木曜日

 
 

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