MBA
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日曜日。晴れ。
そもそもデジタル製品に関しては、買う瞬間が喜びのピークで、あとは時間とともに急激に悲しみのどん底に落ちていくものなのだ。だから、何を買ったとしてもたいしたことは無い。だが今回の買い物は、ちとそれとは違う。
デジタル製品としては、例外的にいいつくりをしてきたスティーブ・ジョブズ時代のApple社のものを、彼がAppleを去る現時点で記念品として入手しておくべきだということである。去り行く時代に対するオマージュとでも言っておこうか。買い物ごときでそれほど緊迫することもないのだが、一人の人間の生き死にかかわる大事である。今後、確実に道具としてのスペックが古くなったり壊れたとしても、ノートパソコンの極北を目指したクレージーな造形の力は、手にするだけで充分に伝わってくるであろう。
ということで買っちゃいました、MacBookAir。所有欲皆無の枯れたボクでさえ、これを手にしたときは少しニヤッとしてしまう。このニヤッは所有欲の充足ではなく、パソコンのイデアを目指した設計の力に共感共鳴感動のニヤッなのだ。
ジョブズ不在のAppleは今後これほど造形的に完成度の高いデバイスを作ることは無いだろう。(つくり続けてくれればうれしいのだが。)そして、そうなってしまうとAppleの存在理由は薄まっていく。株価が下がり、お買い得になった頃にGやMあたりに買収されて一巻の終わり。そうなると、今この時期に売り出されていたApple製品を皆懐かしく想い出すに違いない。(そうならなければうれしいのだが。)
2011年8月29日月曜日