筆記用具

 


裕希の書道、「無限の可能性」が特選。小さい時から祖母に書の手ほどきを受けたからなのか、(オヤバカだからなのか、)いい字を書くのだ。


かく言うボクも中学生頃までは、大野コウボウなどと言われて(ウソ)書道は得意な筈だったのだが、いまや冠婚葬祭の芳名帳が怖くて仕方が無い。書道が得意でも、鉛筆やペンで同様に上手く書けるとは限らない。筆記用具が変わると、字も変わる。弘法はペンを持ったとしたら、どんな字を書いたのだろうか。


学生時代、烏口を使う機会は無かったが、製図は鉛筆か芯ホルダー、インクを使う時にはロットリングというのが標準的な筆記用具だった。磯崎アトリエでは、平行定規にシャープペンを使っていた。複製には青焼きを使うので、インクを使う機会はほとんど無い。3、4年経つとコンピューターを使った製図が広まり始め、磯崎さんのところでも次第に全ての図面をCADで書くようになる。


CADの普及と同時に磯崎さんが製図室に来る頻度が少なくなっていった。かつて製図台に図面がテープで貼られて、図面の内容と進捗状況が一瞬にして分かる環境だった製図室は、筆記用具がPCになった途端に、何をしているのか分からないブラックボックスになってしまったからだ。


ボクらの世代は、「筆記用具」が革命的に変化した時代を跨いでいる。筆記用具の違いが、創造に決定的な質の違いを与えることを実感として知っていても、いまだにAUTOCADに捉えられたままだ。


裕希がいつまでも書道を続けていくことを願う。

 

2010年11月30日火曜日

 
 

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